ざっくり言うと
・容量の大きい設備では励磁突入電流を防止する装置を付けることがある。
・昔は要らなかったが、最近は電力会社の要望でつけなければならないことも
・電力品質の向上や保護協調には良いが、リコールが出ないことを祈る
太陽光発電などの大きい変圧器を導入したキュービクルなどではスイッチを投入した際に励磁突入電流を防止するために三菱電機のエネセーバ等を導入している場合がある。
初めは三菱電機のエネセーバしか選択肢が無かったので、今稼働している太陽光発電施設などはほぼ独占に近い状態でエネセーバが設置されています。エナジーサポートやその他メーカーも作っているようですが、とりあえず今のところ信頼性が高いエネセーバが選ばれているようです。
不足電圧継電器とタイマーとの組み合わせによって運用されます。
停電を感知すると不足電圧継電器が作動しLBSが開放されます。復電するとタイマーで設定された秒数待った後、抵抗の入ったスイッチを先に投入することで突入電流を抑制し、その後抵抗のない通常のスイッチを入れるという仕組みです。
継電器が増えると年次点検で試験する項目が増えるのであまり入れてほしくはないのですが、電力品質・保護協調のためなら仕方がないですね。
電力会社の要望でつけなければならないことが多いので、当初予定していた設計金額が増えてしまうことがあります。昔の感覚でお客様にキュービクルの値段は○○万円ですよということが多いのですが、こういった装置が増えていけばさらに金額は増額されていくと思われますので安易に金額を伝えられません。
単なるスイッチであったLBSに自動投入装置を導入したことによる制御基板の損傷や停電ごとに起こるLBSの入切で機械的な不良が起きないか心配です。
記憶に新しいPGS(高圧ガス開閉器)のガス漏れリコールなど、高機能な製品には数年後のリコールがつきものなので、故障や事故が起きないことを祈るばかりです。
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