ざっくり言うと
・コンデンサは容量を大きくすると設備代金が上がる
・容量を少なくすると力率が悪くなり力率割引が減る
・どちらを取るかは経営者次第とのこと
キュービクルの中に設置されている機器の中で無くても電気を使用できる機器があるのはご存じだろうか。力率改善用コンデンサ・電力用コンデンサなどと言われるものがある。
設置されているのが普通で、設計段階でほぼほぼ取り入れられます。
これは電力会社が「力率割引」というものを採用しているために、この力率改善用コンデンサを設置することで力率を改善し割引を受けているのです。理由は専門サイトで調べてくださいね。
力率を何パーセントに設定するのが一番良いのか?
当然100%にする方が良いに決まっています。基本料金が15%安くなるからです。
では、100%にするにはどの様にコンデンサ容量を決めていくかというと、昔は動力変圧器容量の30%を目安に設置されることが多かったです。これは負荷力率を80%と仮定し、これを95%に改善するという前提で設定されています。この決め方だと負荷の使用状況により過大なコンデンサ容量にしてしまったり、逆に容量不足で力率90%台にしてしまったりして後々問題が発生したりしていました。
経営者の立場としては力率割引は15%フルで受けたいので力率は100%にしたいところです。そこでコンデンサを過剰に入れ進み力率にして100%以上にしていく事業所が多くなってきました。電力会社は進み力率に関しては基本的に目をつぶってくれるので多くの事業所が大きめのコンデンサを設置するようになりました。
大きめのコンデンサを入れておけばとりあえず良いかというとそうでは無いようです。
コンデンサ容量を大きくするとそれに付随させる必要のあるリアクトルも大きくなり設備投資額が大きくなります。リアクトルは高調波の影響を抑える効果、突入電流を抑える効果があり、昔は勧告的事項でしたが、現在は義務的事項となっています。(内線規程)
経済的に丁度よい選定手順
1 使用負荷から現在の力率を調査できる場合は調査し、各メーカーの容量選別表を基に100%を目指ざした選定をする。
2 新設などで調査できない場合は負荷の力率を75%と仮定し、各メーカーの容量選別表を基に100%を目指ざした選定をする。
参考にニチコンの選別表のリンクを下記に貼っておきます。
コンデンサには上記で取り上げた力率割引の問題と、高調波や高周波に関する問題が密接に関係してきます。高調波はインバーター機器が多い場合影響を受けることになるので事業所によっては力率だけで選定してしまうと後々改修が必要になるかもしれないので注意が必要です。
コンデンサには低圧用と高圧用があったり、VMCによる自動力率調整が行われていたりしますが、一番安く済むのは高圧用コンデンサを導入し入れっぱなしにすることです。負荷の力率が限りなく100%に近い場合や使用負荷数が少ない場合などは各機器に低圧用コンデンサを取り付け力率を改善する方が安く済む場合もあると思われます。
どちらにしろお金の問題はセンシティブな問題なので、必ず責任者(経営者や担当者)が納得するよう話し合ってから取り付けたほうが後々のクレームが減ります。電気管理技術者や電気主任技術者は設計段階から責任者と話し合いの場を持つようにしましょう。
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